慢性腎臓病は蛋白尿や腎機能低下などの腎障害が慢性的に続いている状態をいい、わが国では8人に1人が患っていると考えられています。早期には症状が出にくいため病気の発見が遅れ、全身倦怠感・食欲不振・むくみ・息切れなどの自覚症状が出現した時には、透析という治療が必要なところまで進行していることがあります。また、蛋白尿が出現すると脳卒中や心筋梗塞など脳・心血管疾患の危険性が高くなることが分っています。薬物療法や食事・運動療法で、腎炎や腎障害を引き起こす糖尿病や高血圧などを包括的に治療することで患者さんの生命予後や生活の質を改善することが期待されます。
地域のかかりつけの先生方と連携し慢性腎臓病の患者さんを早期に診断し、多職種の専門家が協力し腎機能低下を抑制することや脳・心血管疾患の発症を低下させることを目標に治療します。
腎障害の進行度の評価を行いながら、その原因を診断しガイドラインに沿って治療しています。必要時には腎生検を行い確定診断し、治療を行います。 当院の特徴としてKST(kidney support team)があり、一人の患者さんに医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、社会福祉士などそれぞれの職種の担当を決め患者さんが相談しやすい状況を作っています。慢性腎臓病教育入院を行っていて、各々の担当が生活指導を行いながら腎臓病や薬に関する知識・食事療法・運動療法を患者さんに覚えて頂き、必要な場合は公的補助に関する情報なども提供しています。退院後も継続できるよう各担当が随時サポートしています。