当院人工腎透析センターでは慢性腎不全に対する血液透析や腹膜透析ばかりでなく、薬物中毒や敗血症に対する血漿交換や吸着療法など特殊な血液浄化も行っています。慢性腎不全患者さんは現在約100人が透析されていますが、当院診療圏の腎不全患者さんだけでなく広島県広範囲から様々な合併症治療で入院され透析されている方も多数おられます。
当院では早期の慢性腎臓病診療にも力を入れており、地域の先生方と病診連携をはかりながら如何に腎障害の進行を抑制し合併症を防ぐかを目標に診療しています。しかしながら適切な治療を行っても透析が回避できない場合は、望ましいタイミングで透析を受けて頂けるように体制を構築しています。
患者さんが元気でよりよい生活を送りながら長生きするためには、食事や生活療法の正しい知識を患者さん本人や家族に学んでいただくことが大切です。御家族を交えての勉強会や調理実習などの機会も設けており、御夫婦そろって参加される方もいらっしゃいます。
筋肉量を維持することが予後改善につながることがわかってきました。希望される方には、その人にあった運動療法が透析を受けておられる間にも出来るよう指導しています。
糖尿病を合併されている腎不全患者さんは足の血流障害がある方が多く、そのような方を対象に透析中フットケアをしています。
近年は高齢化による身体機能の低下や家族構成の変化から、通院が困難になる方が増えてきました。そのような状況でも可能な限り従来の生活を続けながら安心して治療が継続できるよう、院内外の医療・福祉にかかわる多職種が協働し在宅生活の支援に取り組んでいます。
腎不全患者さんの合併症治療(整形外科疾患や精神科疾患等)のために広島県広範囲の施設から紹介を受けています。特にシャント(血液透析のために血管をつなぐ)手術や腹膜灌流用カテーテル手術は、県北のセンターとして役割を担っています。
長年暮らしてきた地域やご自宅で出来るだけ自分らしく過ごして頂けるよう、患者さんやご家族と信頼される関係を築きながらスタッフ一丸となり日々サポートに努めています。